不織布の検査方法と測定基準は、用途(車輛・家具寝具・建築・土木・産業資材など)や製造方法(スパンボンド、ニードルパンチ、サーマルボンド・メルトブローン等)によって異なります。
不織布の主な検査方法・測定基準
① 外観検査
目的: 異物、汚れ、ムラ、穴、キズなどの外観欠陥をチェックします。
方法:
- 目視または透過光検査機(ライトテーブル)

基準例:
- 異物(0.5mm以上)〇個以内
- 穴・破れなし
- 斑(ムラ)許容範囲以内
② 厚さ・目付(GSM)
■ 目付(g/m²)
方法: JIS L 1096など
- サンプルを一定サイズに裁断
- 重量を測り、面積で割って算出します。
基準: ±5〜10%以内で管理するのが一般的
■ 厚さ(mm)
方法: JIS L 1096(荷重一定の厚み計)
- 指定荷重下で厚さを測定
③ 引張強度・伸び
方法: JIS L 1096、ISO 9073-3など
- 縦・横方向に引張試験機で破断荷重を測定
基準例(用途による):
- スパンボンド:縦100N/5cm、横80N/5cm など
- ニードルパンチ:200N/5cm以上 など

④ 引裂強度
方法: ISO 9073-4など
- エルメンドルフ法が一般的です。
基準例:
- スパンボンド:5〜15N
- ニードルパンチ:20〜80N
⑤ 通気性
方法: JIS L 1096、Frazier 法など
- 一定圧力差で空気の流量を測定します。
⑥ 厚さ回復率(嵩高性・弾力性)
方法: JIS L 1096
- 一度押しつぶしてから、どれだけ回復するかを測定
- クッション材・寝具用不織布で重要となります。
⑦ 吸水性・吸水速度
用途: 介護・衛生用品、不織布シート
方法: JIS L 1096
- 水滴吸収時間
- 最大吸水量(g/g)
⑧ 耐熱性・寸法変化
方法:
- 一定温度で加熱し寸法変化率を見る
- アイロン法またはヒートセット法などがあります。
⑨ 耐摩耗性・毛羽立ち
方法: Taber摩耗試験など
⑩ 防炎性(用途が限定される)
方法:
- UL94
- JIS L 1091
- 米国CFR1633(マットレス用)などがあります。
⑪ 抗菌・防臭性能(加工品)
方法:
- JIS L 1902(菌の増殖抑制の程度)
ヒクマでは規格書や技術標準書をお客様と共に作り
検査方法や測定基準を共有させていただいています。
性能試験などを公的機関にて行う場合は検査費用をご負担いただくことがあります。
ご理解くださいませ。
