家具や寝装品の分野では、機能性を付加した不織布(ふしょくふ)を使用しています。通気性、防ダニ性、抗菌・消臭性、吸汗・吸湿性、嵩高性などの特性を活かし、衛生的で快適な製品づくりに活かされています。
【1】通気性
不織布は「繊維を織らずに絡ませた構造」をしているため、空気が通りやすいのが特徴です。
- 構造上の理由
→ フィルターのように繊維同士の隙間が多く、空気や水蒸気を通します。 - 寝装品への利点
- マットレスや枕の中材に使用すると、湿気を逃がしやすく、蒸れにくい。
- 夏場の寝苦しさを軽減し、ダニやカビの繁殖も抑制。
- 家具への利点
- ソファやクッションの裏張りに使うことで、内部の通気性を確保し、変形やカビの防止につながります。
【2】防ダニ性
不織布は「防ダニ加工」や「高密度構造」により、ダニの侵入や繁殖を防ぐことができます。
- 高密度タイプ
→ ダニ(約200〜300μm)の侵入を防ぐほどの細かい繊維構造に設計可能。 - 薬剤加工タイプ
→ 防ダニ剤を練り込んだり、表面に加工することで、殺虫・忌避効果を付加。 - 寝具応用例
- 敷布団カバー、マットレス側地、布団の側生地などに使用。
- ダニが入り込みにくく、洗濯耐久性も高い。
- マットレス内部の仕切り層
- 枕やクッションの内袋
- 防ダニ布団カバー
- ソファの裏地やクッションカバー裏
- ベッドスカートやボックスカバー素材
【3】抗菌・消臭性
抗菌性
不織布の繊維に抗菌剤を練り込む、または表面に抗菌加工を施すことで、
菌の繁殖を抑え、衛生的な状態を保つことができます。
- 主な抗菌成分:銀イオン(Ag⁺)、銅、亜鉛、カチオン性樹脂など
- 効果:雑菌繁殖によるニオイや黄ばみ、アレルゲン発生を防ぐ
- 用途:
- 枕カバー・マットレスカバー
- ソファ内部材(防臭・衛生)
- 抗菌防臭寝具や子供用寝具
消臭性
消臭機能は、**活性炭・セラミック・光触媒(TiO₂)**などを練り込んだり、
表面にコーティングして実現します。
- **アンモニア臭(汗・尿)やイソ吉草酸(足の臭い)**などを吸着・分解
- 寝具やソファの“こもった臭い”を軽減
【4】吸汗・吸湿性
寝装品やクッションでは、吸汗性の高い不織布が快適性に直結します。
- 仕組み:繊維自体が水分を吸着し、表面から放湿
- 特徴:
- 寝汗や湿気を吸収 → 蒸れにくく快適
- 通気性と組み合わせてカビやダニを抑制
【5】嵩高性(かさだかせい)
嵩高性とは、厚み・ボリューム・ふんわり感のことです。
不織布では「繊維の立体構造」や「繊維の太さ・弾性」を調整して実現します。
- 繊維構造:熱融着タイプやスパンボンド+サーマルボンド構造
- 素材例:ポリエステル中空繊維(軽くて弾力あり)
- 効果:
- ソファやマットレスにクッション性・弾力性を付与
- 寝具ではふんわりとした寝心地を実現
- 通気性を損なわず、形状保持性が高い


ヒクマではこのような機能性原料を混綿し、樹脂綿や固綿(サーマルタイプ)
吹き込み綿として提供させていただいています。

