不織布・綿ブログ

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2025.12.01

家具や寝装品の分野で使用される機能性不織布

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家具や寝装品の分野では、機能性を付加した不織布(ふしょくふ)を使用しています。通気性、防ダニ性、抗菌・消臭性、吸汗・吸湿性、嵩高性などの特性を活かし、衛生的で快適な製品づくりに活かされています。

 

【1】通気性

不織布は「繊維を織らずに絡ませた構造」をしているため、空気が通りやすいのが特徴です。

  • 構造上の理由
    → フィルターのように繊維同士の隙間が多く、空気や水蒸気を通します。
  • 寝装品への利点
    • マットレスや枕の中材に使用すると、湿気を逃がしやすく、蒸れにくい。
    • 夏場の寝苦しさを軽減し、ダニやカビの繁殖も抑制。
  • 家具への利点
    • ソファやクッションの裏張りに使うことで、内部の通気性を確保し、変形やカビの防止につながります。

 

【2】防ダニ性

不織布は「防ダニ加工」や「高密度構造」により、ダニの侵入や繁殖を防ぐことができます。

  • 高密度タイプ
    → ダニ(約200〜300μm)の侵入を防ぐほどの細かい繊維構造に設計可能。
  • 薬剤加工タイプ
    → 防ダニ剤を練り込んだり、表面に加工することで、殺虫・忌避効果を付加。
  • 寝具応用例
    • 敷布団カバー、マットレス側地、布団の側生地などに使用。
    • ダニが入り込みにくく、洗濯耐久性も高い。
  • マットレス内部の仕切り層
  • 枕やクッションの内袋
  • 防ダニ布団カバー
  • ソファの裏地やクッションカバー裏
  • ベッドスカートやボックスカバー素材

 

【3】抗菌・消臭性

抗菌性

不織布の繊維に抗菌剤を練り込む、または表面に抗菌加工を施すことで、
菌の繁殖を抑え、衛生的な状態を保つことができます。

  • 主な抗菌成分:銀イオン(Ag⁺)、銅、亜鉛、カチオン性樹脂など
  • 効果:雑菌繁殖によるニオイや黄ばみ、アレルゲン発生を防ぐ
  • 用途:
    • 枕カバー・マットレスカバー
    • ソファ内部材(防臭・衛生)
    • 抗菌防臭寝具や子供用寝具

消臭性

消臭機能は、**活性炭・セラミック・光触媒(TiO₂)**などを練り込んだり、
表面にコーティングして実現します。

  • **アンモニア臭(汗・尿)やイソ吉草酸(足の臭い)**などを吸着・分解
  • 寝具やソファの“こもった臭い”を軽減

 

【4】吸汗・吸湿性

寝装品やクッションでは、吸汗性の高い不織布が快適性に直結します。

  • 仕組み:繊維自体が水分を吸着し、表面から放湿
  • 特徴:
    • 寝汗や湿気を吸収 → 蒸れにくく快適
    • 通気性と組み合わせてカビやダニを抑制

 

【5】嵩高性(かさだかせい)

嵩高性とは、厚み・ボリューム・ふんわり感のことです。
不織布では「繊維の立体構造」や「繊維の太さ・弾性」を調整して実現します。

  • 繊維構造:熱融着タイプやスパンボンド+サーマルボンド構造
  • 素材例:ポリエステル中空繊維(軽くて弾力あり)
  • 効果:
    • ソファやマットレスにクッション性・弾力性を付与
    • 寝具ではふんわりとした寝心地を実現
    • 通気性を損なわず、形状保持性が高い

ヒクマではこのような機能性原料を混綿し、樹脂綿や固綿(サーマルタイプ)

吹き込み綿として提供させていただいています。

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