近年、脱プラスチックや製品の軽量化といった観点から、「不織布(ふしょくふ)の成形加工」への注目が急速に高まっています。
しかし、「そもそも不織布をどうやって成形するのか?」「どの加工方法を選べばいいのか分からない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、不織布成形の基礎知識から、代表的な加工方法である「プレス成形」「真空成形」「圧空成形」それぞれの特徴と違いについて、分かりやすく徹底解説します。
不織布の成形加工とは?

不織布とは、繊維を織ったり編んだりせずに、熱や化学的な作用によって結合させたシート状の素材です。身近なところではマスクやフィルターとして使われていますが、この平面のシートに熱や圧力を加え、立体的な形状(3D)に加工する技術を「不織布成形」と呼びます。
単なる柔らかいシートから、自立する強度や特定の機能(吸音性、断熱性、クッション性など)を持った立体部品へと生まれ変わります。
不織布成形の需要が高まる背景
環境配慮(脱プラ)へのシフト

SDGsの観点から、これまでプラスチックで作られていた食品トレイ、工業用部品の搬送トレイ、緩衝材などを、環境負荷の低い不織布ベースの成形品へ代替しようとする動きが活発化しています。
自動車産業(EV化)での需要

電気自動車(EV)の普及に伴い、エンジン音がなくなる分、車外からのロードノイズなどが目立つようになりました。そこで、車内の静音性を高めるための「吸音材」として、あるいは電費(航続距離)の向上につながる「軽量化部品」として、立体成形された不織布のニーズが急拡大しています。
不織布の代表的な成形方法

不織布を立体化する代表的な手法として、真空成形、圧空成形、プレス成形が挙げられます。中でも当社が得意としているのは、プレス成形です。
プレス成形
加熱した不織布を、上下の金型(凸型と凹型)で挟み込み、圧力をかけて成形する最もスタンダードな方法です。型に沿って素材を密着させるため、シャープなエッジや複雑な曲面も再現しやすいのが特長です。高い成形圧をかけられることから、立体感のある形状・高い寸法精度・量産性を両立できます。
真空成形
加熱して軟化させた不織布を金型にかぶせ、型側から空気を吸引して密着させる方法です。設備が比較的シンプルで、緩やかな曲面や浅い形状の成形に向いています。
圧空成形
真空成形に加えて、素材の反対側から圧縮空気を吹き付け、型に強く押し付ける方法です。真空成形よりも深い絞りやシャープな細部の再現に優れており、複雑な形状にも対応しやすいのが特長です。
このように、求める形状の複雑さ・寸法精度・生産量に応じて、最適な成形方法は異なります。
当社における不織布成形の対応事例


当社、ヒクマ株式会社においても、金型等で成型し3次元立体成形不織布を製造しています。電車シートを中心に劇場用シートや枕、介護マットレスなどの寝装品、オフィス家具やインテリア製品の中材としても活躍中です。


他の構造体との同時成形も可能です。不織布成形に関することなら、何なりとご相談ください。全国対応・ウェブ打ち合わせも可能です。
不織布の成形加工でお悩みなら、ヒクマ株式会社へ
ヒクマ株式会社では、お客様の課題や製品の用途に合わせて、最適な成形方法や金型の設計をご提案いたします。「こんな形状は作れる?」「プラスチックから不織布に切り替えたい」といったご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。